紺野うみの「心象風景」

心の中にあった世界

私はかつて、自分の本心がわからなくなってしまったとき、「自我状態療法」という心理療法を通じて、心の中を「イメージ」の力で見つめはじめました。

その内容をざっくり説明しますと、臨床心理士の先生の誘導で、一切前情報ゼロの状態から、自分の心の中を漠然と思い描いていくものです。

「そんな曖昧な方法で、何がわかるの?」と思う方も、きっと多いことでしょう!笑

しかし、後になればなるほどわかってきたのは、この「イメージ」の力と「無意識」との結びつき。

「想像力」とは、決して馬鹿にできないものだったということ。

これをしている間は、難しいことや理屈を「頭」で考えているわけではないので、浮かんでくるのは「心の中の無意識」に限りなく近いものが反映された世界だったんです。

今回は、その風景というのをイラストレーターさんにお伝えして、私自身も驚くほど忠実に再現していただきました!

横から見た図

私の心の中にある世界を、横から図面化したものです。

とってもかわいく、イメージしやすいイラストにしていただけました。

私は、何も分からず白紙状態だった「自分の心の中」という地図を広げ、その内側を少しずつ冒険して探っていくように、この全体像を知っていったんです。

この図には、あえて日常を過ごす住人たちの姿を混ぜてもらいました。

私が心について知ってゆくプロセスの中で、彼らの過ごし方も、大きく変化していきましたから、それをただ「観察」することが私にとっての「客観的な自己理解」に繋がっていたのだと思います。

上から見た図

上から見た図は、このようになっています。

ふたつの図を組み合わせて見てゆくと、さらに分かりやすいのではないでしょうか?

住人たちの役割や個性が、その部屋にも表れているのがわかりますね。

そして、こんな風に描き出してみると、ますます「自分の心の中」に対して興味や愛着が湧いてくるもので……。

私がいろんな方のお悩みを聞き、メールカウンセリングを行う中では、よく「自分を知るのが怖いんです」という言葉をいただきます。

そして、私も最初はそうでしたから、その気持ちがよく分かるんですよね。

だからこそ、「心の中を知ること」を多くの方にもっと楽しんでほしいし、その術がこうしてたしかに存在することを知っていただきたいと思っています。

こんなイラストを見ていると、「自分の心の中って、どんな風になっているんだろう?」って、なんだかワクワクしてきませんか?

そんな風に「心の中の世界」に興味が湧いてきたなら、私の作戦は大成功!笑

あなたが自分の心に一歩、大きく歩み寄ったということですから、とってもうれしく思いますよ。

解説

それでは、私の心象風景の図を使って、さっそく具体的な解説を行っていきたいと思います。

図に入っている①~⑩までの番号に従って、ご紹介していきましょう!

① 心の中の階段

心の中へ降りていくための、階段。

人によって、長さや形もさまざまですし、明るさ暗さも違います。

ですが総じて言えることは、自分と自分の心の距離感や理解度が、この「階段」にも反映されているようです。

たとえば、自分の心の中に対して「怖い」と感じていたり、「本心を知りたくない」と思う気持ちがあると……。

底が暗くて見えづらかったり、階段がとても長かったりする、といった形で、その深層心理が表れてくるわけですね。

② 入り口前の踊り場

心の中の空間に入る前の、階段下にある踊り場です。

ここには、真っ白な可愛い小型犬がいて、彼は階段に住む「まるちゃん」という名前の案内役。

このような場所には、心の中を覗くことをできる限り怖がらずにすむように、何かしら安心できる「案内役」を作り出すとよいでしょう。

そして、足元も「緑の芝生」でふかふかにしました。

案内役だけでなく、私の場合で言うところの「緑の芝生」みたいに、この空間を自分の好きなように意図的に変化させてしまうと、心の中へ降りるのも自然と怖くなくなってくるはずです。

③ 大広間

心の中の中心に位置する大広間で、天井は高くてドーム型。

立体図だけでは見え辛いのですが、上からの平面図を見ていただくと分かるように、ドーナツ型のテーブルと、6つの椅子、同じ数の扉が存在します。

扉の色は柔らかなパステルカラーで、それ以外はすべて、真っ白でつるっとした大理石のような材質でできています。

紺野の場合は、このような形のつくりになっていますが、心の中の風景は十人十色。

現実にもある建物の中だったという人や、なんと部屋ではなく屋外だった人もいました!

④ 水色の扉

委員長の部屋です。学校の教室のような部屋で、そこで暮らすというよりもクラスですね。笑

「リラックスできる部屋」というよりも、いつでもどこでもつい気を張ってしまう、委員長ならではの空間が現れていると思います。

​読書好きなので、なんともいい姿勢で席につき、たいていは本を読んで過ごすようです。

⑤ 桃色の扉

リンさんの部屋です。ごくごく一般的な、女性らしい個室といった内装。

お茶にお菓子、雑誌・本・漫画などの娯楽を楽しんだり、友人とおしゃべりしたり。

自由気ままな生活や、おしゃれなどを楽しめる明るい雰囲気の空間です。

⑥ 檸檬色の扉

アニキの部屋です。パワフルで情熱的なアニキの好むものだけがある、雑魚寝スタイル。笑

彼の趣味は和太鼓や武道などですから、そういったことでも「怒り・反発」の発散が可能になりました。

しかも、体育館風なので、ちょっとくらい中で暴れても大丈夫な空間です!笑

⑦ 栗色の扉

ヒロさんの部屋です。和室の書斎で、昭和の作家スタイルな懐かしさが漂います。

窓の外の景色は、昭和の夕焼け空が見えます。

彼の重要なお役目である「執筆」が、思う存分行える空間です。

本や辞書をコレクションしたり、和のものに目がありません。

⑧ 菫色の扉

まもるくんの部屋です。家具と呼べるようなものが存在していません。

あるのは音楽が聴けるレコーダーだけ。

​謎の多かった彼の部屋ですが、今ではその理由やさまざまな問題が解決しかけており……?

最初がこの状態だっただけに、実は一番大きく変化している場所だったりします。

⑨ 若草色の扉

グリーンダカラちゃんの部屋です。部屋の中央にはハンモックがあり、友達の黄色い小鳥のお家である鳥かごもあります。

​部屋の壁全面は、いつでも森の中の気分でいられるように、木々の写真で囲まれています。

とにかく癒される空間なので、つらいときはイメージ上であるにもかかわらず、ここに避難すると安心できました。

⑩ 地下空間

床下収納のような扉がついた、地下へと続く謎の空間でした。

今では無事に、その詳細について、紺野自身が理解できています。

この部屋の秘密については、皆様には追々ご説明することにしましょう!笑

誰の中にもある世界

いかがでしたでしょうか?

ここでご紹介したのは、あくまでも紺野の心の中にある世界です。

そして、それぞれの心の中にも、それぞれの心を映し出したこのような世界が、必ずあるのだと思ってください。

もちろん、この方法は「想像すること」がどれくらい得意かどうかによって、どこまでリアルに描き出せるかが変わってきます。

人によってはまったくイメージが湧かなかったという方もいますし、最初の段階からおもしろいほどリアルなキャラクターたちが想像できてしまった、という方もいました。

この差については、あくまでも「向き・不向き」の話なので、気にしなくても大丈夫です。

「あまり得意ではないみたい」「上手にできないな」「イマイチしっくりこないな」と思ったら、無理せずにそのほかの方法で自分の心と向き合ってみましょう。

自己分析の方法といっても、いろいろありますので、この手法が心に合わなかったとしても、あまりガッカリしないでくださいね。

ただ、このように楽しみながら自分の心について知ってゆくことも、可能だということを覚えておいてください!

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